その12 「ちゃこ」から「ぱわ」へ

◆な、なんと!国家プロジェクト受託!!
この連載も12回も続いて、いよいよ書くことが無くなったので最終回にします。
連載を1年以上も続けていると、その間にいろいろなことが起こります。
この1年間でもっとも大きな出来事は、里山倶楽部がNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)からバイオマスを活用した新エネルギーシステムの調査事業を受託したことです。

◆木質バイオマス、10年前からやっています
木質バイオマスという言葉は耳にされていることと思いますが、木や草の集まりことです。
そのエネルギー化と言えば、すでに里山倶楽部は10年も前から炭焼きをして薪炭林のエネルギー化に取り組んでいます。

しかし、今回新しいのは、木を燃やして熱を作るだけでなく電気も発電させるというシステムの研究です。
電気と熱を同時につくる装置をコージェネレーションシステムと言いますが、今回、NEDOにそのバイオマスのコージェネレーション事業調査を提案したところ、どういうわけか採択されたのです。
言い出したのが自分なので、調査の責任者になってしまって、もう大変苦労しました。

◆「炭」から「エネルギー」へ
ところで、その研究過程で実は新しい地域通貨を思いついたのです。
なんと、炭本位制に替わるエネルギー本位制通貨です。
バイオマスエネルギーシステムを導入するための資金集めに地域通貨を使えないかと考えていた時に、炭本位制のちゃこマネーではちょっと合わないと思い、ふとエネルギー本位制にしてはどうかとひらめきました。
エネルギーをつくるシステムへの基金には、やはり出来たエネルギーを配当するのがいいだろうと考えたのです。

◆...とくれば、「ちゃこ」から「ぱわ」へ
エネルギー本位制というは、すべての活動をカロリーとかジュールというエネルギー単位に換算して地域通貨を支払うのです。
通貨の名前は「ぱわ」(Power=力)です。
例えば、1kcal=1ぱわとすれば、成人男子が山仕事などした場合の消費カロリーは1日に約3000kcalなので、1日ボランティアすれば3000ぱわ・・・とまあ、そんな感じです。
行った仕事量をエネルギーに換算して、相当の「ぱわ」を支払います。
レストランでは、料理に使った食材のカロリー数で必要な「ぱわ」の値段を決めます。
「ぱわ」が足りない、「ぱわ」をあげましょう、「ぱわ」が欲しい!なんて、助け合っている会話ができていいのではないでしょうか。

◆いろいろ計算してみれば...
 そういえば、炭本位制も考えればエネルギー本位制でした。
炭の発熱量は、1kgあたり6000~8000kcalで、木の場合は含水率50%で同じく1900~2000kcalです。
というように、ちゃんとエネルギーに換算できます。
いままで、500ちゃこ支払っていたのは500gの炭であって、それは1kgの半分の熱量で3000~4000kcal、約3500ぱわに相当します。
そう計算すれば、先ほどの1日ボランティアの消費エネルギーに近いことに驚きです。全くの偶然ですが。

◆木をエネルギーに変えよう!
これはなかなか面白いので、いちど試してみようと思っています。
この通貨の目的は、自然エネルギーの普及啓発なので、基本的に自然エネルギーに関連する作業に対して通貨を支払います。
「ぱわ」が欲しい方は山に入って木を切りましょう!
木を燃やしてエネルギーをつくりましょう!
最後に、一言。
もっと俺に「ぱわ」をくれ!  おわり。

(2004.11)

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